PREP法とは?【例文付き】使い方から練習方法まで分かりやすく解説

2022年6月5日

分かりやすい文章を作る上で欠かせない知識の一つが「PREP法」です。

PREP法を使って文章を作ると「自分が伝えたいこと」を相手に的確に伝えることができます。

そこで今回は、PREP法の基本知識から練習方法、文章例までわかりやすく解説します。

この記事を通して「PREP法とは何なのか」をしっかり理解できれば、今後の文章作成だけでなくプレゼンや商談の質、効率ともにグンとアップします。

PREP法とは

PREP(プレップ)法とは、分かりやすい文章を作るための文章構成モデルの事です。「分かりやすい文章を作るためのテンプレート」として文章、プレゼン、会議など様々なシーンで活用されています。

PREP法は、以下の4要素で構成されます。

Point :要点(結論・主張)
Reason :理由(結論にいたった理由・そう主張する理由)
Example:具体例(理由に説得力を持たせるための事例・データ・状況)
Point :要点(結論・主張)

それぞれの頭文字を取って「PREP法」と呼ばれています。

簡単な例として、PREP法を使って「好きな食べ物」についての文章を見てみましょう。

例文:

P(結論):私はカレーライスが好きです。
R(理由):なぜなら、カレーライスにはたくさんの種類があり、色んな味が楽しめるからです。
E(具体例):例えばキーマカレーやチキンカレー、タイカレーにインドカーなど、日本のみならず世界各国にたくさんの種類があります。
P(結論):だから私はカレーライスが好きです

PREP法を使うことで、簡潔で分かりやすい文章を作ることができるため、プレゼンテーションや、ビジネス文書の作成に非常に役立ちます。

PREP法のメリット

PREP法とは何か分かったところで、気になるのが「PREP法にはどんなメリットがあるか」ですよね。

PREP法を使うことで得られるメリットは大きく分けて3つあります。

  • 文章作成のスピードが上がる
  • 説得力のある文章が作れる
  • 短時間で意見を伝えられる

PREP法を習得すれば、短時間で説得力のある文章を作ることができるので「ライターとして文章作成をしている、プレゼンをする機会が多い、営業をうまくできるようになりたい」と考えている人は要チェックです。

文章作成のスピードが上がる

文章を作るのが苦手な人でも、PREP法を使うことで文章作成のスピードが上がります。

文章の大枠(構成)を決めずに書き始めると「なんて書き出せば良いんだろう…この次は何を書くべきなんだ?」と悩みながら書くことになってしまいます。

一方PREP法を使えば、「P(結論)R(理由)E(具体例)P(結論)」の順で情報を当てはめて文章を作成すればよいため、構成で悩まずに文章を作成できます。

例えば、仕事でプレゼン資料を作る時、なかなか手が動かないという人もいますよね。そこでPREP法を使うことで、短時間で分かりやすい文章を作成することができます。

PREP法をマスターして文章作成の効率をアップさせましょう。

説得力のある文章が作れる

PREP法では、文章の最初と最後で結論(主張)を述べているため、説得力のある文章を作ることができます。

日常生活でも、大事なことを覚える時は、何度も反復して覚えますよね。
PREP法では、最も相手に伝えたい事を2回繰り返すことで、読み手・聞き手に強く印象づけることができます。

また、結論に至る経緯を、理由や事例を交えて説明することで、さらに説得力が増します。

短時間で情報を伝えられる

PREP法は、「結論」が文章の頭に来ているため、短時間で相手に意見を伝えることができます。

意見を伝えるのが苦手で「何を伝えたいのか分からない」「もう一度お願いします」と言われた事がある人もいるのではないでしょうか。こうした「自分の意見をうまく伝えられない人」こそ、PREP法を習得するメリットがあります。

実際に、PREP法を使った文章と使っていない文章を比較してみましょう。2つの文章で伝えたいことは「定例MTGがスキップになった」です。

「どちらの文章構成のほうが理解しやすいか」を考えながら読んでみましょう。

PREP法を使っていない例

急遽、社長の海外出張が決まりました。お戻りは来週になります。

そのため今週の定例ミーティングは、部長に代理で出席していただく予定でした。

しかし、今週は大きな進捗もなく、特に議題もないため、定例MTGはスキップになりました。

社長の出張が決まったことが最重要なのかと思いきや、最後にMTGがスキップになりますという結論がきてしまうと「結局どれが1番重要だったの?」と疑問に思ってしまいますよね。

PREP法を使った例

結論:今週の定例MTGはスキップになりました。

理由:理由としては急遽、社長の海外出張が決まり、お戻りが来週になるからです。

具体例:代理で部長に進行していただいて開催予定でしたが、今週は大きな作業進捗もなく、特に議題もありません。

結論:そのため、今週の定例ミーティングはスキップになりました。

PREP法で伝えると、「MTGがスキップになったことが重要なんだな」とすぐにわかりますよね。

このように、PREP法を習得することで、短時間で結論を明確に伝えられるようになります。

PREP法のデメリット

PREP法はメリットの多い文章構成術ではあるものの、デメリットもあります。

例えば、作文など物語性のある文章を作るのにPREP法は不向きです。

では、その他にどんなデメリットが考えられるのか確認していきましょう。

  • 物語性のある文章には向かない
  • 追体験を伝えることには向いていない
  • 機械的な文章になりやすい

物語性のある文には向かない

PREP法は作文や小説など、物語性のある文章の作成には向いていません。

物語性のある文章は起承転結で作られることが多いですよね。
頭に結論(オチ)を持ってくるPREP法は、意外性のある面白い文章を作るには不向きと言えます。

追体験を伝えることには向いていない

スピーチなど実体験や思い出話を盛り込むような文章にPREP法は向いていません。

PREP法は「P(結論)R(理由)E(具体例)P(結論)」で構成されるため、追体験を入れるパートがありません。

R(理由)やE(具体例)のパートを追体験パートに置き換えると、結論に至る理由や具体例がなくなり、説得力の薄い文章になってしまいます。

PREP法は、引き込まれるような文章を作るためではなく、相手にシンプルに内容を伝えたい時に用いられます。

機械的な文章になりやすい

PREP法に慣れていない内は、PREPのテンプレートを意識しすぎて機械的な文章になりがちです。

例えば、以下のような文章を書いてしまう人がいます。

「Aは〜です。なぜなら〜だからです。例えばBは〜ですよね。だからAは〜です。」

たしかにPREPのルール通りに書けていますが、聞き手・読み手側は機械的な印象を受けますよね。

では、自然な文章の繋がりを意識したPREP法の例文を見てみましょう。

P:分かりやすい文章が書けなくて、悩んだことはありませんか?
そんな方には、分かりやすい文章を効率よく作ることができる「PREP法」という文章作成術がおすすめです。

R:なぜなら、PREP法は「P(結論)R(理由)E(具体例)P(結論)」の順に情報を当てはめて文章を作ることで、完結で分かりやすい文章を短時間で作ることができるからです。
次の章では、PREP法を使っている文章と使っていない文章を比較してみます。

E:以下が、「PREP法を使っている文章」と「使っていない文章」です。
(良い例と悪い例を記載)
PREP法を使っていない例は、「結論として何が言いたいのか」が分かりにくいですよね。

P:このように、PREP法を使うことで、完結で分かりやすい文章を短時間で作ることができます。

自然な文章を作るポイントは文章の繋がりと文末表現です。
文末表現とは「〜です。」「〜ますよね。」「〜でしょう。」などの事です。

PREP法は、あくまで構成術なので、各要素に1行という決まりはありません。
箇条書きのような文章を書くのではなく、前後のつながりを意識して文章を書きましょう。

また、同じ文末表現が連続すると、機械的でロボットみたいな文章になり、感情が伝わりません。
「です。」「ます。」「ですね。」「ますね。」「でしょう。」など、様々な語尾を使い、テンポの良い文章にしましょう。

PREP法を使う時は、文章の繋がりや文末表現を意識して、読者が読みやすい文章を作るように心がけることが大切です。

SDS法との違い

PREP法の他にもSDS法という文章作成モデルがあります

SDS法は「Summary(要点)」、「Details(詳細)」、「Summary(要点)」の順で文章を作る手法です。

話の主旨を最初に伝え、その後に詳細を説明し、最後に要点を述べておさらいします。
そのため、事実を分かりやすく伝える事に適した手法です。

SDS法の例文

S(要点):明日は全国的に雨の予報です。

D(詳細):日本付近に湿った空気が流れ込み、広く大気の状態が不安定になります。
特に九州から東北は天気が変わりやすく、所々で雨雲や雷雲が発達する見込みです。

S(要点):明日は全国的に⼀⽇中⾬で、傘が⼿放せないでしょう。

このように、SDS法は物事を端的に伝えたい時に使えるため、ニュース番組でもよく使われる手法です。

PREP法とSDS法の使い分け

PREP法は、「意見を主張する」のに向いていて、SDS法は「事実を分かりやすく伝える」のに向いています。

PREP法は「結論」に重きを置いているのに対し、SDS法は「詳細」に重きを置いた手法と言えます。

PREP法:物事をわかりやすく説明(主張)するのに向いている。説明や例を交えて伝えるため、聞き手・読み手の理解が深まりやすい。

SDS法:事実をわかりやすく伝えることに向いている。読みやすくて記憶に残る文章が作れる。


あくまで文章構成術なので、明確な使い分けのルールはありません。

慣れない内は「主張を分かりやすく伝えたい時」はPREP法、「事実を分かりやすく伝えたい時」はSDS方という使い分けで始めてみましょう。

PREP法の練習方法

「PREP法を習得して分かりやすい文章を書けるようになりましょう!」と言われても、書くためのコツや練習方法がわからないと「何から始めたらいいの?」と迷ってしまいます。

あなたが「PREP法の練習」でつまずかないためにも、最後にPREP法の練習方法を紹介します。

PREP法の練習は、以下の3ステップで行うのがおすすめです。

  • 簡単な題材から始め、機械的でシンプルな文章を書いてみる
  • 接続詞や文末表現を意識して、自然な文章になるように肉付けしてみる
  • 出来上がった文章を声に出して読んで見る

まずは自分の趣味や好きな食べ物など、簡単なテーマについてPREP法で書いてみましょう。

機械的な文章でもPREP法の構成どおりに書けるようになってきたら、自然な文章になるように文章を肉付けしてみてください。

また、出来上がった文章は必ず声に出して読んでみましょう。
書いている時は自然に感じていても、声に出して読んでみると不自然に感じることがあります。

この3ステップの繰り返し練習することで、PREP法が身についていきます。

PREP法を使った例文

補足としてPREP法を使った長文例も紹介しておきます。

テーマとして「自己PR」と「プレゼンテーション」の2パターンを紹介します。例文を読んで、PREP法を使った長文のイメージをより明確にして「自分の技術」として会得しましょう。

PREP法の例文1:自己PR

P:私の強みは継続力です。

R:なぜなら私は、一度始めたことは途中で投げ出さず、努力して継続することができるからです。

E:高校1年生の時、未経験でサッカー部に入部しました。
毎日の朝練は、朝が苦手な自分にとっては想像以上に辛く、何度も心が折れそうになりました。
しかし、一度自分で決めたことは決して諦めたくないという思いから、3年間続ける事ができました。
そして、最後の試合では全国大会まで進出し、全国1位になることができました。
3年間の努力が実になった瞬間です。

P:貴社の商品開発においても、この継続力を活かして貢献していきたいと考えています。

PREP法の例文2:プレゼンテーション

P:スマホの月額料金が高すぎると思ったことはありませんか?
そんなあなたに、格安スマホに乗り換える事をおすすめします。

R:おすすめ理由としては以下の3つです。
・大手携帯会社より月額料金が安くなる
・プランが豊富
・契約の縛りが無いものが多い

E:格安スマホの魅力といえば、なんと言っても月額料金の安さ。
私自身も、大手携帯会社で契約していた時は、毎月1万円程の月額料金が掛かっていましたが、格安スマホに乗り換えてからは、毎月1,500円程になりました。

プランも豊富なため、データ量やかけ放題オプションなど、自分の利用環境に合わせて選ぶことができます。

また、縛りがない会社も多く、最低契約期間や高額な解約料がない会社が多いため、安心して乗り換えることができます。

P:格安スマホと聞くと、「問題なく使えるの?」と思う方もいると思いますが、私自身ずっと格安スマホを使ってきて、困ったことは一度もありません。

スマホの月額料金を抑えたいと考えている人は、この機会に格安スマホへの乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は分かりやすい文章を作るために欠かせない知識である「PREP法」の基礎知識からメリット・デメリット、練習方法まで解説しました。

PREP法を習得することで、文章作成が苦手だった人も、少し苦手意識を克服できると思います。

しかし、何事も最初から上手にはできません。むしろ繰り返し練習した経験が多くの知識になっていきます。この記事を読んで簡単な文章の作成から「PREP法」を練習していきましょう。

© よむしる