KPIとは?設定方法やKGIとの違い、ビジネスへの活かし方をわかりやすく解説

2022年7月19日

業務管理評価の指標として活用されるKPI。目標を達成するために大切な指標で、マーケティングやセールスに活用されています。

しかしKPIの意味や設定方法を具体的に理解できる人はそう多くありません。できればKPIを知識として落とし込んで、業務に活かしたいと思っているはずです。

そこでこの記事では、KPIの意味や設定方法、ビジネスに活かすコツを紹介します。

またKGIやKFSなどとの違いについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

KPI(重要業績評価指標)の意味や定義は?

KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、日本語訳すると「重要業績評価指標」という意味を持っています。具体的には「目標を達成するための手順が適切に行われているか」を数値化して評価するものです。

例えば、コールセンターでは、受注件数や解約件数、クレーム回数などがKPIとして設定されています。

KPIを設定しておくと、個人の実績とリンクし、業務改善を行いやすいのがメリットです。そして全体の数値を計測すれば、目標に対してどのくらいまで進んでいるか明確になります。

要するに、目標を達成するための中間指標と位置付けると分かりやすいと思います。

KPIはKGIやKEY、KFSと何が違う?簡単に解説

KPIと似た用語にKGIやOKR、KFSなどがあります。どれもマーケティングをする上で大切なものですが、どう違うのか分からない人も多いと思います。

それぞれの意味を理解すれば、仕事で恥をかくこともありません。ここでは、それぞれの意味や定義について解説します。

KPIに関連する用語との違い
  • KGIとの違い
  • OKRとの違い
  • KFSとの違い

KGIとの違い

KGIとは、「Key Goal Indicator」の略で、日本語訳すると「経営目標達成指標」を意味する言葉です。

目標のゴールを定量的に定めたもので、売上や受注件数、利益率などが設定されます。

KPIは「目標を達成するための手順」なのに対し、KGIは「最終的なゴール地点」と定義すると分かりやすいと思います。

例えば、1年間の売上目標(KGI)が1,000万円だとします。すると1ヶ月あたり約85万円の売上(KPI)を達成しなければなりません。KPIでは日々の進捗や活動を数値化しながら、目標達成に向けて進んでいきます。

このようにKPIで軌道修正を行いながら、KGIを目指していくことが大切です。

OKRとの違い

OKRとは、「Objectives and Key Results」の略で、日本語訳すると「目標と主要な結果」を意味する言葉です。GoogleやFacebookなど、シリコンバレーの一流企業が取り入れる戦略として注目を集めています。

目標と達成度を定量的な数値で測定し、業務改善を行います。主に中間指標として活用され、四半期ごと、もしくは毎月の頻度で共有をします。

KPIは毎日、毎週、毎月といったように確認頻度が多い指標です。そのため、OKRは、KPIが正しく実行されているか中間的に測定する指標と覚えておきましょう。

KFSとの違い

KSFとは「Key Success Factor」の略で、日本語訳すると「重要成功要因」を意味する言葉です。

重要成功要因とは、どんな要因で成功するか、何がキーポイントになるか、という指標を指します。

もともとビジネス用語として活用されていましたが、KPIが広まり意味合いが少し異なってきました。現在は規模や範囲に囚われず、ビジネス以外でも使われる機会が増えています。

KFSを数値化したものをKPIと呼び、目標設定する上で大切な指標です。KPIを設定する前に、大まかな成功要因(KFS)を立てることで、目標達成につながります。

KPI指標をビジネスに活かす具体例

KPIを理解しても、どうビジネスに活かしていいのか分からない部分があります。

プロセスを定量的に測定するための指標であり、全てのビジネスに共通する項目はありません。

業界が違うだけで、KPIの設定方法が変わります。そこでマーケティングやセールスの分野でのKPIの活用方法を紹介します。

KPI指標を活かせる業界
  • マーケティングにおけるKPI
  • セールスにおけるKPI

マーケティングにおけるKPI

マーケティングとは、商品やサービスを売るための戦略です。さまざまな施策を打ち出しているため、目的に合わせてKPIを設定する必要があります。

例えばWebサイトを運用する場合、以下のようなKPIを設定できます。

  • 訪問者数
  • 回遊率
  • CV率
  • UU数
  • インプレッション数
  • CVR
  • CTR

マーケティングはセールスの根本にあるものです。どうやって価値を提供するか、どんなニーズがあるのかを調べるのがマーケティングです。その先に商品やサービスを売り込むセールスがあるのです。

そのため、セールスを担当する人でも、マーケティングについて理解しておく必要があります。

セールスにおけるKPI

セールスは商品やサービスを売るのが目的です。販売職や営業職などがこれに該当します。

セールスにおけるKPI設定は必須となっています。組織全体の目標が明確になるだけでなく、個人の成果も数値として出せるからです。

セールスでは以下のようなKPIの設定がおすすめです。

  • 新規売上
  • 新規顧客数
  • 客単価
  • 受注数
  • 受注率

セールスの数字を細かく分析すれば、目標達成に向けて業務改善が行えます。KPIが最も活用できる場所ですので、ぜひ導入してみてください。

プロセスKPI設定のコツ

KPIの設定が重要なことは分かりました。しかし設定を間違えると、思ったような効果は得られません。そこでプロセスKPIを設定するコツを3つ紹介します。

ちょっとしたポイントを押さえておくだけでも、十分な効果がありますので、ぜひ実践してみてください。

プロセスKPIを設定する3つのコツ

  • SMARTを意識する
  • ツールを活用する
  • PDCAを回す

SMARTを意識する

KPIの設定は「SMART」を徹底することが大切です。「SMART」がブレているとKPIが適切に設定できません。

「SMART」とは、

  • Specific(明確性)
  • Measurable(測定可能)
  • Achievable(達成可能)
  • Related(関連性)
  • Time-bounded(適時性)

の略です。

まずは明確な目標を立て(Specific)、目標の進捗度合いを確認します(Measurable)。そして達成可能なKPIを設定し(Achievable)、KGIと連携して業務改善を行います(Related)。また業務を効率よく進めるためには、KPIに期限を設けること(Time-bounded)も大切です。

このように「SMART」を意識して、KPI設定を行ってください。

ツールを活用する

ツールを活用すれば、KPIのデータを一括管理でき、情報共有も楽になります。

おすすめのKPIツールは以下の通りです。

ツール名 特徴
MIERU フロンティアビジョン株式会社が提供する「MIERU」。KPIだけでなくKGIやCSFなども数値化してくれるツールです。30名未満の中小企業用にリリースされており、価格もリーズナブルなのがメリットです。
かんたんKPI 日通総研が開発した「かんたんKPI」は、物流業界に特化したツールです。倉庫内のデータを数値化でき、生産性の向上に役立ちます。作業員の歩数まで計算してくれるため、細かい業務改善ができるのもメリットです。
Mμgen スマートインサイト株式会社が提供する「Mμgen(ミュージェン)」は、ビックデータを活用したツールです。膨大なデータ同士を結びつけ、より精度の高いKPIを実現できます。

KPIの設定方法が分からない人は、ツールの活用を検討してみてください。

PDCAを回す

PDCAサイクルとは

  • Plan(計画)
  • Do(実行)
  • Check(評価)
  • Action(改善)

を繰り返すことで、業務を改善していく手法です。

KPIを設定しても、目標が達成できないこともあります。そんな時はPDCAサイクルを回して、業務の効率化を行ってください。

計画を実行した際は、必ず評価を行って改善に取り組みます。これを繰り返すことにより、KPIやKGIの達成につながっていきます。

PDCAはどんなビジネスにも役立つものなので、ぜひ活用してみてください。

まとめ:KPIはシンプルに考えるのがポイント

今回はKPIについて詳しく解説してきました。難しいイメージを持つ方もいますが、目標を達成するための手順(プロセス)としてシンプルに考えることが大切です。

またKPIだけでなく、KGIやOKRを適切に設定することで、より目標達成に近づけます。特に商品やサービスのセールスを行っている人は、KPIの設定は必須です。数字目標が明確になれば、より高い成果を得られます。

ぜひ本記事を参考に、KPIについて理解を深めてみてください。

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